『 特別企画展「あなたが好きな作品」を投票しよう』 投票結果発表のお知らせ

2024/11/15お知らせ

この度は『 特別企画展「あなたが好きな作品」を投票しよう』の企画にご参加いただき、誠にありがとうございました。皆さまの応援とご協力に心より感謝申し上げます。たくさんの方からのご投票をいただき、展示作品の中から以下の作品が選ばれました。

【Ⅱ-7 祭日  ISHIDORI】

前田研志 1983(昭和58)年
油彩 カンヴァス F100号 129×160

この作品は、油絵の具に木炭やワラ灰などを混ぜ、カンヴァス全体に土壁のように塗り込んで下地を作り、その画面を引っ掻くことで描きだす技法(スグラフィート)で仕上げている。
色彩を抑えた画面に目を凝らすと、まるでなぞ解きのように多数の物語が見えてくる。
画面全体に、石取祭車や祭車上部で山形を操る人物、祭車後方の天幕下で鉦と太鼓を囃す人々、祭車の周りの観客などが描かれる。研志は「出会ったものは何でも記録し、ひとつの画面に収めたい」と語っていた。多様に広がる世界を一つの作品の中に描き込む研志の特徴的な作品であり、不思議な世界観を味わえる。
1983年にタイトルを『祭図』として描いたが、後に作品画面右肩にISHIDORIと表記した。

【桑名の石取祭】

「桑名石取祭」は、約400年の歴史と伝統を誇る桑名を代表する夏の風物詩となっている。
また、国指定重要無形民俗文化財やユネスコ無形文化遺産になっている。
この祭りは桑名市の中心部にある桑名・中臣神社(春日神社)を中心に行われる。
約40台の祭車と呼ばれる山車が鉦と太鼓の囃子とともに市内を曳き回される。
直径約82cmにも及ぶ太鼓と内径約39cmの鉦を一定のリズムで激しく叩く囃子は迫があり、「天下の奇祭」や「日本一やかましい祭り」と言われ、毎年8月の第一日曜とその前日に開催される。

 

【Ⅳ- 4   ポンデザール】

石垣定哉 2008(平成20)年
油彩  カンヴァス F8号 45.5 ×38 個人蔵

ルーブル美術館を見た後、急に肌寒くなったので、コートをはおりいつもの散歩コースを歩いた。
セーヌ川畔のプラタナスの枝が垂れ下がりすっかり紅葉して、秋の彩りに染まり冬が間近いと思われた。
落ち葉が舞い飛びセーヌクルーの観光船は賑やかに航行していた。
文:石垣定哉
月刊なごや No.409「今月の表紙の解説より」

定哉は、自身が描いた作品にまつわる文章を残している。描いた時の様子や気持ちがつづられているので、原文とともに作品を味わってほしい。
ポンデザールとはフランス、パリのセーヌ川に架かる橋の名前。